これは日本書紀の記述で、“沈水(じんすい)”とは香木のこと。
流れ着いた枯木を燃やしたところ、すばらしい香りがたちこめたので帝に献上したとあります。
そう、淡路島は香木伝来の地として伝統を今に受け継ぐ「香りの島」なのです
夏も終盤のある日、かぐわしい香りに誘われて(?)とってもかわいい訪ね人が淡路島に来てくれました
東京の某有名大学で文科人類学を学ぶ現役女子大生
淡路島のお線香をテーマに卒業論文を書くための取材旅行です。
で、なぜ淡路島のお線香??
「何か日本の伝統的なものを題材に、と考えていたところ、もともと香りが好きだったこと、そして淡路島がお線香の最大生産地だと知ったから。」との由。なるほど〜
遠路はるばるようお越し
まずは兵庫県線香協同組合にて事務局長によるレクチャーからスタート
淡路島のお線香作りが江戸後期、港町 江井で冬の副業として始まったこと。
船問屋が数多くあったので大いに流通したこと。
現在日本のお線香の7割が淡路島で生産されていること。
「淡路島の香司(=香りのマイスター)」ブランドで海外へ打って出ていること、などなど、興味深いお話に彼女も釘付け
お次はお線香メーカー「尚林堂」さんへ
社長さま自らお出ましくださいました
淡路島のお線香のウリは何と言ってもその品質。
それを頑なに守りつつも、「伝統は変わるもの。時代に合わせて変えていく。」と、自らネーミングされた商品を見せてくださいました。
桃の香りでパッケージもキュート
お線香って仏事だけでなくアロマとしてもいいですよね〜
恋花を焚きながら“恋バナ”なんてどうでしょう・・・??
「昔からの匂い・使い方にこだわるつもりはないが、お仏壇にお線香を上げて手を合わせる文化は再認識していいのでは。」というお言葉に若い彼女も共感したようでした。
続いて工場見学(注:通常一般向けにはされていません)
こちらの大きな練り機で主原料である阨イ(たぶこ。閧フ木の粉末。)と香料、染料、お湯を加えて練ります。
機械化が進んだ今でもこの微妙な調合は職人さんでないとできないとか
これに圧力を掛けてこの巣金(すがね)と呼ばれる穴の空いた板から押し出し、細長い棒状にします。
そして裁断、乾燥、箱詰めして完成
実際に製造過程を見るととても親近感が沸きます
次におじゃましたのは同じくお線香メーカーの薫寿堂さん
常務取締役さまがご対応くださいました。
こちらでは一般でも工場見学とお香作り体験ができ、年間5万人もの来場者があるそうです。
ショップでは様々な商品が並び、見ているだけでも楽しいっ
今では大変貴重な天然の伽羅を使ったお線香
一本千円ナリ(^^;
フランスにOEM提供し逆輸入したオーガニックのお線香
ハーブの香りがとっても爽やか!
故人がコーヒー好きだったからと、コーヒーの香りのするお線香をお仏壇に上げる方もいらっしゃるそうです。
「日本人のきめ細やかな感性を活かしたモノづくりをしていきたい」と常務さん。これからどんな商品が飛び出すか、楽しみですね〜
次にお話を伺ったのは淡路市商工会の課長さま
組合と連携して国内外の展示会に出展するなどPRに尽力されています。
「海外ではお線香文化がない相手に説明するのは大変だが、大手フレグランスメーカーが品質を認めてくれたりと手ごたえを感じている。『線香と言えば淡路島』と世界中で言われるようになりたい」と意気込みを語ってくださいました
この他にも、香木を御神体として祀る枯木神社や、
淡路島の一宮 伊弉諾神宮を訪問してお線香との関わりを伺うなど、まさにお線香フルコースを味わって大いに執筆意欲をかき立てられたご様子
さてどんな論文に仕上がるか、完成が楽しみです〜

