2013年06月02日

守る人々がいて守られている − 板木(いたぎ)池のお話

「地元の池で神事があるので来ませんかー?」
池の神事exclamation&question はてさてどんなことをするのかしら・・・?
興味に駆られてお尋ねしたところ、そこには代々受け継がれた
素晴らしい営みがありましたぴかぴか(新しい)

淡路市興隆寺地区にある「板木池(通称 大池)」。

池.JPG

八浄寺さんを超えて、軽自動車がギリギリ通れるぐらいの細い道を
ずーーーっと登ったところにありますグッド(上向き矢印)
これは地元の人じゃないと絶対分からないなぁ〜、という感じあせあせ(飛び散る汗)

ここで毎年5月の申の日に、水の神様である貴船神社から勧請して
佐野神社の神主様による神事が取り行われます。

神主さん.jpg

明治初期に築造された、奥行き約230m、最大幅80m、水深18mの
大きなため池るんるん
かつて水不足に悩まされた淡路には約23,000ものため池がありますが、
板木池もその一つ。
ここが水源となって周囲約13haの土地を潤し、
明石海峡大橋が開通して本土から導水されるまでは
遠く洲本まで水を送っていたそうです。

岩盤から出る湧水がこんな大きな池になるなんて、
なんて素晴らしいんでしょうexclamation
畑をやるようになって水の有り難さをつくづく感じます。
それに緑が多くて見晴らしがいい!!

総長1名、会計1名、池守3名の計5名が中心となって
池を管理されていますわーい(嬉しい顔)

音田.jpg

昔の池の記録帖本

明治記録.jpg

毛筆.jpg

美しい毛筆が時代を感じさせますね。
パソコンのない時代、大人たちが飲み食いしながら
3日がかりで纏めていたのを子ども心に覚えているそうです。
それも地域のいいコミュニケーションだったのでしょうね。

池には底に溜まった泥を除去するという大変な作業が必要です。
まず池の水を1ケ月ほどかけて抜き、中央に埋められた土管の周りに
囲いを作ります。

構造1.jpg

そして土管に一旦蓋をして・・・。

ふた.jpg

赤線のところでせき止めていた水を一気に放流して泥を押し流します。

泥吐け.jpg

体を張って作業される池守さんたち。 かなり危険な作業ですよね・・・あせあせ(飛び散る汗)

DSCN2178.JPG

こんな昔ながらのやり方をしている所は珍しいらしく、
近代的な水門を作って管理する手もあるらしいのですが、
敢えて伝統的な方法を継承していきたいとの想いもあるそうです。

皆さんの努力の甲斐あって、平成23年には
全淡ため池コンクールで最優秀賞を獲得されました〜exclamation×2

板木池の泥吐けは年一回、11月頃に行うそうです。
農家さんにとっては死活問題なので失礼になってはいけませんが、
この一大スペクタクルを是非拝見したいものですグッド(上向き矢印)

ちなみに案内していただいたのは総長のO氏。
この方は淡路の郷土史に造詣が深く、淡路の磐座
(いわくら。古神道における信仰の対象となる岩。)や
山のてっぺんに人知れず建つ小さな祠(ほこら)を
自分の足で訪ね歩かれています。
このあたりのお話をまた追ってお届けしたいと思います〜ひらめき

posted by awajigurashi at 08:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 淡路の歴史、文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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