こんにちは!紡ぎ屋の藤本沙紀です。
淡路島はすっかり夏の陽気で、毎日暑い!!
梅雨明けはまだのようですが、体感では雨の日はかなり少なかったように感じます。
そしてこの梅雨が明けたら、淡路の夏本番!
どれだけ暑くなるのだろうと、今から怯えております。。(笑)
そんな私は現在、自身で出版予定の雑誌制作に明け暮れる毎日・・・
今回、その雑誌の題材となっているのが南淡路の外れにある、“沼島(ぬしま)”です。
「国生みの島」と呼ばれている淡路島ですが、
その淡路島の中でもいちばんはじめにできた「ヲノコロ島」が、沼島と言われています。
人口400人程度の、小さな漁師町。
もちろん私と同世代(20代)の若者は、指で数える程度。
島にはコンビニもなく、夜の18時には眠る町。
最初に沼島へ訪れて感じたのは、“なにもない島”、そんな印象でした。
しかし聞くところによると沼島は、小さい島ながら、その海で捕れる魚は“沼島ブランド”と呼ばれるくらい絶品とされ、全国から年間を通して、多くの釣り人が訪れています。ちょうど最盛期を迎えている鱧は、ほとんどが京都の料亭で使われる超高級品なんだとか!
さらに沼島は、国生み伝説ゆかりの「上立神岩」や「平バエ」など、多くの奇岩に囲まれた島。その奇岩を周遊するおのころクルーズには、平成28年度はなんと1000人もの観光客が来場するほど、年々、人気の観光地となっています。
しかし、そんな取材先の沼島で私が最初に出会った青年は、沼島を「もったいない」と表現していました。
ならばと始まった私の、沼島の“もったいない探し”。
沼島へ何度も足を運び、たくさんの島民の方とお話をさせていただき、
山の中も汗まみれに土まみれ、クモの巣に何度も顔面を突っ込みながら、
くまなく歩きまわり、とにかく沼島を見て聞いて、感じていきました。
そんな中ですごく印象的だったのが、二年前に島外から移住をされたSご夫婦との会話の中で出てきたヒトコト。
「沼島は、精神的な豊かさがある。」
たとえ人口が少なくとも、そこにはしんみりしている雰囲気は一切なく、一人ひとりパワーがあり、みんなが元気なのだと。一人ではなく全員で、いっせーのせで動く島。
そしてなにより、沼島の子供たちはみんな、そんな沼島のことが大好きなのだと。
だから、一度島を離れたとしてもまた、必ず戻って来る。
そしてしっかり沼島で根を張り、生きていくのだと。
そのサイクルがここにはあると。
「だから沼島はきっと、これからもしぶとく残っていく島だと思う。」
そのお話の中で見えてきたのは、
きっと沼島を「もったいない」と放った彼には、彼が見てきた沼島のベストがあり、
それは島民全員、それぞれに言えることなのではないかということでした。
それぞれが思う(知っている)、沼島のベスト。
それを沼島に訪れる観光客に見てもらえないもどかしさ。
“沼島はこんなもんじゃないんだ”
きっと彼の沼島に対する愛情から出たコトバなのだと、そこでようやく、本当の答えをみつけることができました。
でも、取材を終えて私は、“このなにもない現在(いま)の沼島が、最高に素敵だ。”そう、心底実感したし、
きっと訪れる観光客全員の、“そのときに出会った沼島”が、またそれぞれのベストになっていくはずだと、そう確信しました。
だから決して、“もったいなくなんかない。”
取材を通して出会えた、たくさんの人たち。
そして最高に思い出深い、私にとっても原点となった、大切な沼島。
いよいよ佳境の制作も、引き続き頑張ります☆
8月には、販売予定です!^^ 乞うご期待!!
<今回の取材で大変お世話になった、沼島総合観光案内所の吉甚さん>
〜紡ぎ屋〜藤本沙紀---☆
2017年3月東京から単身、淡路島へ移住。
―小さな想いを大きな景色に―